③デュアル・モード・ビークル:Dual Mode Vehicle (DMV)
デュアル・モード・ビークルとは,道路と軌道の両者を走行できる車両のことで,英語の頭文字からDMVとも呼ばれています。車体価格が安く,運行や施設の経費も鉄道より抑えられ,赤字ローカル線や廃線の多い過疎地での有力な交通手段になると期待されています。
1930年代にイギリスで研究・開発が始まり,ドイツ,オーストラリア,日本(旧日本軍,国鉄等)等も開発に取り組みましたが,道路から線路へ乗り入れる際の切り替え作業に6多くの時間を要したため実用化されませんでした。しかし,JR北海道が,マイクロバスをベースに,道路上はタイヤで走り,線路に入る際に,収納していた鉄輪を30秒程度で出して運行する方式を開発しました(図14,15参照)。17人乗りで,1台2000万円程度であり,通常の鉄道車両の1/6~1/7とのことです。
出典:DMV地方交通への活用,RRR Vol.64 No.10,2007.10
JR北海道は2007年からJR釧網本線で試験営業を始め,南阿蘇鉄道(熊本県),天竜浜名湖鉄道,明知鉄道等で試験運転を行っています。
また,高知県安芸郡東洋町と徳島県海陽町を結ぶ阿佐東線を運営する徳島県等の第三セクター,阿佐海岸鉄道は2020年度からの運行開始を目指しています。